現在展示中の前輪小径ファニーバイク。
各部紹介の3回目は変速系のWレバー、リアディレイラー、フロントディレイラーです。
この製品も登場したときはスポーツ自転車の歴史を変えたのではないかと思いましたが、あとから見れば、歴史を変える製品の前段階だったと言えるのではないでしょうか(個人の見解です)。
シマノ デュラエース 7400シリーズ
Wレバー

インデックス機構=いわゆる「カチカチ」がついた初のレバーです。
「SIS(シマノ・インデックス・システム)」と名づけられていました。
それまでのWレバーは、フリクション機構=摩擦でレバーの位置を止める仕組みでした。
レバーはどこでも止めることができ、どこで止めるかは乗り手のさじ加減。
リアをシフトダウンするときは、「ちょっと余計に引っ張って、少し戻す」なんてワザがスムーズに変速するコツでした。
しかし、このレバーは違いました。
カチカチがついているので、次のカチまでレバーを動かせば、確実に1段変速することができました。
変速が格段にラクになったと思いました。
それまで個人的には「ロード部品ならカンパニョーロでしょ」と思っていましたが、このラクさに惹かれてこのデュラエース 7400シリーズを導入しました。
このファニーバイク自体が当時は「新しいモノ」だったので、部品にも新しいモノを使いたかったというのもあったかもしれません。
そして、このインデックス機構付きWレバーののち、シマノはデュアルコントロールレバー(STI=シマノ・トータル・インテグレーション)を世に送り出しました。
このデュアルコントロールレバーこそ、スポーツ自転車の歴史を変えたと言える製品だと思います。
つまり、インデックス機構付きWレバーは、デュアルコントロールレバー登場以前の大事な前段階だったと言えるのではないでしょうか。
リアディレイラー

インデックス機構に対応したリアディレイラー(RD)だったので、自動的にコレを選んだのだと思います。
ダブルテンションの横型メカは変速がスムーズだと感じました。
これ以外のRDでインデックス機構が作動したかはわかりません。
フリーはボスフリーでサンツアーの7段=いわゆる「ウルトラセブン」です。
サンツアー(前田工業)は当時シマノのライバルと言われた自転車部品メーカーでしたが、このインデックス機構登場以降シェアを下げ、最終的に会社はなくなったと聞いています(流れをくむ「SRサンツアー」というサスペンションブランドが残っていますが)。
このファニーバイクフレームのリアエンド幅は126mmで、もともとは6段用でした。
その126mmエンド幅に入る7段フリーをサンツアーが出しました。
6段の幅に7段が入るということでウルトラセブンと呼ばれていました。
本来ならば、シマノのフリーハブにカセットスプロケットを組み合わせるのがシマノ推奨だったと思いますが、アラヤ製ディスクホイールを装着したため、この組み合わせになっています。
チェーンはシマノ製です。
インデックス機構はとりあえず機能しています。
アラヤ製ディスクホイール、サンツアーのボスフリー、シマノ製チェーンは後日紹介します。
フロントディレイラー

フロントディレイラー(FD)側にはインデックス機構は備わりません。
なので、いまのデュアルコントロールレバーにあるトリム機構もついていません。
フロント変速に関しては、まだ乗り手のさじ加減に任されていました。
そのため、このFDでなくてもよかったのですが、Wレバー、RD、FDの3点セットを揃えるということを考えて、このデュラエースを選んだのだと思います。

フロントディレイラーの「DURA-ACE」ロゴは控えめに本体上面の小さな面に表示されています。
当時、ヨーロッパのプロレースではカンパニョーロが主流。
日本国内でもまだサンツアーがそれなりのシェアを持っていた時代でしたので、シマノさんも控えめだったのかもしれません。
※記憶をもとに書いていますので、事実と異なる内容が含まれている可能性があります。ご了承ください。